こんにちは。早稲田留学日本語教育センターです。(●'◡'●)
先日は、新宿区江戸川小学校と交流会を実施しました。
以下は、担当柳澤先生からのレポートです!
江戸川小学校授業報告
日時:令和7年2月8日(土)10:40~12:15
場所:新宿区江戸川小学校4年1組と2組教室
ボランティア生徒:パンタ・サラスワティ、バンダリ・サリタ、チェトリ・スサング、ダハル・ソニク
引率教員:伊藤、中條、柳澤
10:15に江戸川橋改札口で待ち合わせ。社会福祉協議会の黒田様、菊地様、大谷様も合せてくださった。小学校では、今回の企画を提案してくださったスクールコーディネーターの吉澤様が出迎えてくださった。授業参観にいらした親御さんと子どもたちでごった返す玄関でスリッパに履き替え、3階へ。始業のチャイムが鳴ったので、荷物だけ置いてすぐに教室に向かった。
最初は4年1組。子どもたちは手を膝において行儀よく座っていた。当番の子のかけ声で授業(10:40~11:25)が始まる。黒田さんから簡単にご挨拶があった後、4人が自己紹介。さっそくネパールの話に入る。まずスサングさんがネパールの概要を、次にソニクさんがネパールの動物について話した。学校にサルが来た、という話に子どもたちが湧いた。続いて、サリタさんがダサインや子ども時代のお手伝いについて話す。子どもたちは、ダサインの時、額につけるティカについての話を真剣に聞いていた。パンタさんは、観光地や子ども時代の遊びについて話した。カトマンズのお寺の写真に「わあ、きれい」と声が上がった。代表的な遊び「ゴッタ」は5つの石を使ってする遊びだが、実際にやってもらおうとしてポケットから石を取り出すと石が4つしかなかった。それを見て、子どもたちが「消しゴムあるよ。」と言ってあっという間に5つの消しゴムを差し出してくれる。それを借りて、パンタさんに「ゴッタ」をやってもらった。パンタさんの技に歓声が上がる。「やったことある」という子どもが2人。もう1コマ時間があれば、一緒に遊びたかったが、45分の授業ではちょっと無理だった。
その後、もう一度ソニクが出てきて、ネパールで人気があったアニメの話に移った。「忍者ハットリくん」「ナルト」「ワンピース」、ソニクがアニメの名前を言うたびに子どもたちが盛り上がった。最後にネパール語で「ありがとう」=「ダンニャバード」を言い、子どもたちもそれに応えて(担任の松本先生の指示もあり)立ち上がって「ありがとうございました」と言ってくれた。




実質休憩時間はなしで、すぐに隣の教室に移動し、また同じ話をする。相手が異なるし、2回目(11:30~12:15)なので少しずつ流れが違ってくるが、やはり、一番湧いたのはアニメの話の時だった。日本の自動販売機にびっくりした話では、逆に子どもたちが「え、(ネパールには)自動販売機ないの?」と驚いていた。「日本は便利な国です。」という言葉の後に、ソニクさんが、子どものころは薪でご飯を炊いたり、壺を持って外に水を汲みに行ったり、洗濯をしたり、という話をしたが、日本の子どもたちはそれをどういう気持ちで聞いただろうか。
スサングさんが水色のクルタを着てきたので、ネパールの女性の服装を間近で見てもらうことができた。パンタさんはできるだけ原稿を見ないで話そうと頑張っていた。サリタさんは、活舌がはっきりしていて聞きやすかった。ソニクさんは、アドリブでいい味を出した。「サル」を「サラ」、「やせい動物」を「やさい動物」、「まめのスープ」を「みみのスープ」、サリタさんが果物の桃の話をしているのに、モモはネパールの餃子ですと言い出したり、と突っ込みどころ満載だったので、そこに突っ込むことで、子どもたちが笑ってくれた。馬鹿にしたような笑いではなく、子どもらしい無邪気な笑いだった。期せずして、「こうやって日本語を覚えていくんです。」ということも言えた。子どもたちが正しい日本語を教えてくれようとしていたことも何回かあった。
2クラス目もあっという間に時間が過ぎた。子どもたちと「さようなら」をし、校長室で、6年生の親御さんがお餅をいただいた。玄関でお餅つきをしていた保護者の皆さんにご挨拶。一人のお父さんが「日本はどう?」と声をかけてくれ、4人が「楽しいです」と答えていた。
反省
江戸川小学校4年生の両クラスとも、よく学ぶ姿勢を持ったクラスで、担任の先生がきちんと指導されている様子がうかがえた。あらかじめ20以上の質問をもらっていたので、それに応えようとして原稿を作った結果、盛り沢山すぎる内容になってしまったかもしれない。写真も最初30枚ほど用意したが、子どもたちが想像することも大切だと感じ、最終的に15枚ほどに絞った。
どちらのクラスでも元気に手を挙げて質問をしてくれる子が5~6人くらいいたが、もう少し時間があればもっと質問が出ただろうと思う。できれば「ゴッタ」も一緒にしたかった。
参加してくれた4人には心から感謝したい。おかげで、日本の小学生50人にネパールのことを伝えることができ、多少なりとも国際交流、地域交流ができたと感じる。彼らにとっても、日本の小学校の雰囲気、子どもたちの様子などを肌で感じることができて、いい体験になったことだろう。4人とも3月に卒業してしまうので、今後のことを考えると、午後のクラスの生徒にもきてもらえたらよかった。子どもたちの前で何も話さなくても、雰囲気がわかり、次回以降につながるだろう、と感じた。
また、今回特に強く感じたのが「縁」の持つありがたさだった。ちょうど日本語の授業で「縁起がいい」という言葉が出てきていたところだったが、まさにいくつもの「縁起」が重なって実現した授業だった。この話をつないでくださった社会福祉協議会の皆さん、今回の企画を提案してくださったスクールコーディネーターの吉澤さん、それに手を挙げてくださった江戸川小学校の先生方、本当にありがとうございました。
柳澤より
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